中をのぞき込み、その内部の思想を穿鑿《せんさく》し、もしそれが一般の意見に背馳《はいち》するようなものであるときには、その説明を求める、という権利を各人がもっている。集団の魂の眼に見えない専制主義が、各個人の上に重くのしかかっている。個人はその生涯《しょうがい》を通じて後見されてる子供のようなものである。彼のもの何一つ彼の所有ではない。彼は町に属してるのである。
アンナが日曜日に引きつづいて二度も教会堂に姿を見せなかったということは、嫌疑《けんぎ》をひき起こすに十分だった。普通のときにはだれも、彼女が礼拝に列してることを気にも止めていないようだった。彼女は一人離れて暮らしていて、町の人々は彼女の存在を忘れてるかのようだった。――ところが、彼女がやって来なかった初めの日曜日の晩には、彼女の欠席は方々に知れ渡って記憶の中にしるしとめられた。つぎの日曜日には、聖書の中や牧師の唇《くちびる》の上の神聖な言葉をたどってる、信仰深い眼の一つとして、その真面目《まじめ》な注意をそらしてるものはないらしかった。しかしどの眼もみな、アンナの席が空《あ》いてることを、はいって来るときに認め、出て行くとき
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