身体を感じた。彼は彼女に外套を着せようとした。彼女はそれを拒んで、空威張りに襟《えり》の留め金まではずした。「野蛮人」の像のついた看板を出してる飲食店で、二人は食卓についた。入り口には小さな樅《もみ》が一本生えていた。室の装飾としては、幾つかのドイツ語の四行詩、春に[#「春に」に傍点]という感傷的なのとサン[#「サン」に傍点]・ジャックの戦い[#「ジャックの戦い」に傍点]という愛国的なのと、二つの着色石版画、それから、根本に一つの頭蓋骨《ずがいこつ》がついてる十字架があった。アンナは今までクリストフが知らなかったほど大食した。二人は強い白|葡萄《ぶどう》酒を元気に飲んだ。食後にはまた、仲よさそうに畑の中を歩きだした。なんらの不純な考えもなかった。二人の思いはただ、歩行や歌ってる血潮や吹きつける空気などの快さばかりに向いていた。アンナの舌はほどけてきた。彼女はもう狐疑《こぎ》してはいなかった。なんでも頭に浮かんでくるままをすぐ口に上せた。
彼女は幼年時代のことを話した。祖母は彼女を、大寺院のそばに住んでる友だちの家へよく連れていった。二人の老婦人たちが話してる間、彼女は広い庭の中に追い
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