うにもっていたのだ。神聖な理性の直接の啓示を受けていたのだ。理性こそは酷烈な太陽である。それは光被する。しかし、人を盲目ならしむる。水蒸気も影もない乾燥したその光の中では、人の魂は色|褪《あ》せた伸び方をし、その心臓の血は吸い取られてしまう。
 しかるに、当時クリストフにとって何か無意義なものがあったとしたら、それこそまさに理性であった。彼の眼には、理性の太陽は深淵《しんえん》の岩壁を輝《て》らすばかりであって、深淵から出る方法を示してもくれなければ、深淵の深さを測ることさえ得さしてくれないのだった。
 芸術家仲間にたいしては、クリストフは接触の機会をあまりもたなかったし、接触したいとはなおさら思わなかった。音楽家らはたいてい、クリストフが昔攻撃したことのある、新シューマン派およびブラームス派の時代の正直な保守党だった。ただ例外な者が二人いた。一人はクレブスというオルガニストで、名高い菓子屋を営んでおり、善良な男で、いい音楽家で、同郷人の一人の言葉をかりて言えば、「あまり燕麦《からすむぎ》を食わせすぎたペガソスに乗っていなかったら」、もっといい音楽家になれたはずだった。も一人はユダヤ系
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