」とクリストフは言った。
 ちょうどそのとき、胸甲兵らは石をぶっつけられるのに我慢しきれないで、広場の入り口を閑くために進んできた。中央の隊伍《たいご》が駆け足で前進してきた。すぐに人々は散乱し始めた。福音書の言葉に従えば最初のものが最後の者だった。しかし彼らは長くそうしてはいまいとつとめた。憤激してる逃走者らは、自分らの潰走《かいそう》をつぐなうために、追っかけてくる者どもをののしり、一撃をも受けない先から「人殺し!」と叫んでいた。ベルトは鰻《うなぎ》のように列の間を縫い歩いて、鋭い叫び声をたてていた。ふたたび仲間の者といっしょになり、コカールの広い背中の後ろに隠れ、ほっと息をつき、クリストフのほうに身を寄せ、恐がってかあるいは他の理由からか、彼の腕をぎゅっとつかみ、オリヴィエにちらりと横目を使い、それからまた金切り声でののしりながら、敵のほうに拳《こぶし》を差し出した。コカールはクリストフの腕をとらえて言った。
「オーレリーのところへ行こう。」
 数歩行けばよかった。ベルトはグライヨーといっしょに先にはいっていった。クリストフはオリヴィエを従えてはいりかけた。街路は両方へ斜面をなし
前へ 次へ
全367ページ中149ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
ロラン ロマン の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング