言った。革命は自分のためではないと仲間から言われたことを言った。
「革命は彼らのためでもないんだよ、またわれわれのためでもないんだ。それは一日の仕事じゃない。われわれのあとに来る者のために皆努力してるんだ。」
 少年は革命の来るのがそんなにおそいのを聞いてがっかりした。
「だが、無数の君のような少年に、無数の人間に、幸福を与えようと人が努力してるのを考えると、君はうれしくはないのか。」
 エマニュエルは溜息《ためいき》をついて言った。
「でも、自分自身に幸福を少しもつのもいいことでしょう。」
「忘恩者になってはいけないよ。君はいちばん美しい都会に住んでるし、いちばん驚異に富んでる時代に生きてるんだ。君は愚かではないし、またりっぱな眼をもっている。自分の周囲に見るべきものや愛すべきもののあることを、考えてみたまえ。」
 オリヴィエはそういうものを少しあげてみせた。
 少年は耳を傾けていたが、頭を振って言った。
「ええ。だけど、こんな身体の中にいつも閉じこめられてることを考えると!」
「なあに、それから出られるよ。」
「そして、その時はもうおしまいだ。」
「そんなことが君にわかるものか。」
前へ 次へ
全367ページ中117ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
ロラン ロマン の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング