いことを口にした。けれどそれらのひどい悪口も、友との間には葛藤《かっとう》を生じなかった。二人の友はたがいに深く愛着していた。オリヴィエはどんなことがあろうともクリストフを犠牲にしたくなかった。しかしそれをジャックリーヌへも強《し》いることはできなかった。愛の弱みから彼女へ心配をかけるに忍びなかった。クリストフは、どんなことが彼の心中に起こってるかを見てとって、自分で身を退《ひ》きながら彼の選択を容易にしてやった。このままにしていては、少しもオリヴィエのためを図ってやることができないこと、むしろオリヴィエを害するばかりであること、それをよく了解していた。彼は自分のほうから遠ざかるべき口実を設けた。オリヴィエは気が弱いためにその間違った理由を受けいれた。しかしクリストフの犠牲の心を推察して、深く自責の念に苦しめられた。
クリストフはオリヴィエを恨みはしなかった。彼の考えによれば、妻は夫の半分であると言うのは誤りではなかった。なぜなら、結婚した男はもはや半分の男子にすぎないから。
彼はオリヴィエなしに自分の生活を立て直そうとした。しかしいかにつとめても、離反は一時のことにすぎないと考
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