を感ずることができ、活動し善を行ない自他の生活を豊富ならしむべき、あらゆる方法を具有している。それなのに彼らは、たがいに愛していないとか、ある者を愛しているとか、ある者を愛していないとか言って、始終愚痴ばかりこぼしている――自分自身のこと、感情上のあるいは肉欲上の関係、幸福にたいする彼らのいわゆる権利、矛盾した利己心、などにたえず頭を向け、やたらに論議ばかり試み、大なる恋愛や大なる苦悶《くもん》の狂言を演じ、ついにはその狂言をほんとうに信じてしまう……。
「君たちは少しも同情を受ける資格はない。幸福になるべき方法がそんなにたくさんあるのに、愚痴ばかりこぼすのは不都合なことだ。」と彼らに言ってやるがよい。彼らにはもったいないその財産や健康やすべてりっぱな天の賜物を、彼らから奪い取ってやるがよい。自分の自由に狼狽《ろうばい》してるそれらの自由となり得ない奴隷どもを、ほんとうの悲惨と苦悩との軛《くびき》の下につないでやるがよい。もし自分のパンを苦心してかせがなければならなくなったら、彼らはそのパンを喜んで食べるであろう。もし苦悶《くもん》の恐ろしい顔をまともに見たならば、彼らはもはやその厭《
前へ 次へ
全339ページ中138ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
ロラン ロマン の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング