」
そこで彼らは紙の下のほうに二つの輪を書いて、抱擁し合う意味を表わした。それから、彼女は涙を拭《ふ》き、笑顔をした。そして、丸襞襟《まるひだえり》のような立ち襟の白い短|外套《がいとう》と縁なし帽子とを彼に着せかけて、アンリー三世の小姓《こしょう》みたいに仕立てた。
パリーで彼らは、以前別れた人々と再会した。けれどももう皆様子が違っていた。クリストフもオリヴィエが到着した報に接して、大喜びで駆けつけていった。オリヴィエも彼と会うのが同様にうれしかった。しかし初め一目見たときから、彼らは意外な窮屈さを感じた。二人ともそれを押しのけようとしたが、だめだった。オリヴィエはたいへん優しかったけれど、彼のうちには何か変わったものがあった。クリストフはそれを感じた。結婚した友はいかにつとめても、もはや昔どおりの友ではない。男の魂にはもうかならず女の魂が交じっている。クリストフはオリヴィエのうちの至るところ、眼つきのとらえがたい輝きのうちに、見覚えのない唇《くちびる》の軽い皺《しわ》のうちに、声や思想の新しい抑揚のうちに、女の魂を嗅《か》ぎ取った。オリヴィエはそれにみずから気づいていなかった
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