え、作戦を議していた。オーステルリッツの戦いを説明しワーテルローの戦いを訂正する室内戦略家が、もろもろの学芸院や大学などにはたくさんいるが、彼もその一人だった。彼はそういう「ナポレオン派」をまっ先にあざけって、自分の皮肉をみずから面白がってはいたけれど、それでもなおやはり、遊びにふけってる子供のように、ナポレオンの素敵な話に酔わされていた。ある種の逸話になると眼に涙まで浮かべた。その気弱さに気づくときには、ばかな老耄《おいぼれ》だとみずから叫んで笑いこけた。実を言えば、彼をナポレオン崇拝者たらしめてるものは、その愛国心よりもむしろ、活動にたいする小説的な興味と精神的な愛好とであった。と言っても、彼はりっぱな愛国者であって、生粋《きっすい》のフランス人の多くよりもいっそう深くフランスに愛着していたのである。いったいフランスの反ユダヤ主義者らはフランスに住んでるユダヤ人らのフランス感情を、不当な猜疑《さいぎ》心でくじきながら、よからぬ馬鹿げたことをなしている。けれども、あらゆる家族は一、二代の後になると、定住した土地にかならず執着するものである、という理由をほかにしても、ユダヤ人らは、知
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