に出し得なかった。しかし彼の顔つきが彼に代わって口をきいていた。敵意を含んだ冷酷な顔つきだった。オリヴィエはそれに驚かされた。しかし少しも理由がわからなかった。クリストフが何を根にもっているのか、彼は恐る恐る知ろうと試みた。がクリストフは返辞もせずに、素気《そっけ》なく顔をそむけてしまった。オリヴィエのほうでも気にさわって、口をつぐみ、黙然として心を痛めた。二人はもうその日一日顔を合わせなかった。
 クリストフは、オリヴィエからたといその千倍もの苦しみを与えられたとしても、けっして意趣晴らしをすることはできなかったろうし、ほとんど身を守ることさえできなかったろう。彼にとってオリヴィエは神聖なものであった。しかし彼は憤慨の念に駆られたあまり、だれかにぶつかって思いを晴らさなければならなかった。そして、オリヴィエがその的《まと》となり得なかったので、リュシアン・レヴィー・クールが的となった。彼はいつも不公平と激情とのために、オリヴィエが犯したはずの罪過の責任を、レヴィー・クールにもっていった。レヴィー・クールのような奴《やつ》から、昔はコレット・ストゥヴァンの友情を奪われたうえに、こんど
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