フだ。」とオリヴィエは言った。「僕には永久の孤立のほうが望ましい、わが民衆の団結があんな代価を要するのなら。」
 二人は口をつぐんだ。そしてどちらも、心を乱してる問題に触れかねた。がついにオリヴィエは思い切って、喉《のど》をつまらしながら言った。
「うち明けて言ってくれたまえ、クリストフ、君は帰国するつもりだったのか。」
 クリストフは答えた。
「そうだ。」
 オリヴィエはその返辞を予期していた。それでもやはり心に打撃を受けた。彼は言った。
「クリストフ、そんなことが君に……。」
 クリストフは額《ひたい》に手をやった。そして言った。
「もうそのことを話すのはよそう。もう僕はそのことを考えたくないのだ。」
 オリヴィエは悲しげに繰り返した。
「君は僕たちと戦うつもりだったのか。」
「それは僕にもわからない。そんなことは考えたことがない。」
「しかし君は心の中で決心していたじゃないか。」
 クリストフは言った。
「そうだ。」
「僕を敵として?」
「君をではけっしてない。君は僕の味方だ。僕がどこに行こうと、君は僕といっしょなんだ。」
「しかし僕の国を敵としてだろう?」
「自分の国のためにだ。」
「それは恐ろしいことだ。」とオリヴィエは言った。「僕も君と同じに、自分の国を愛している。わが親愛なるフランスを愛している。しかしそのフランスのために、自分の魂を殺し得ようか? フランスのために自分の本心にそむき得ようか? それはフランスにそむくことと同じなのだ。憎悪《ぞうお》の念なしに憎んだり、憎悪の狂言を本気で演じたりすることが、どうして僕にできよう? 近世の国家は、理解し愛するのを本質とする精神上の自由な教会を、その青銅の掟《おきて》に結びつけたと称することにおいて、忌むべき罪悪――やがてみずからを倒すべき罪悪――を犯したのだ。シーザーはシーザーたるべきであって、神たらんとしてはいけない。われわれの金や生命を奪うことはできようが、われわれの魂にたいしては権利をもってはしない。われわれの魂に血を塗るの権利はない。われわれが生まれ出たのは、光明を広めるためであって、光明を消すためにではない。人は各自に義務をもっているのだ。もしシーザーが戦争を欲するならば、戦争をするための軍隊を、戦争を職務とする昔どおりの軍隊を、もつがいい。僕は何も、武力にたいするいたずらな愚痴をこぼして時間を空
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