は太く、歯並みや賤《いや》しく、清楚《せいそ》なところが少なく、ただ眼だけは生き生きとしてかなり敏捷《びんしょう》で、また仇気《あどけ》ない微笑をもっていた。彼女は鵲《かささぎ》のようによくしゃべった。彼も快活に答えをした。彼女は面白いほど率直で、おかしな頓智《とんち》に富んでいた。二人はあたりの人々にお構いなしで、笑いながら声高く感想を語り合った。近くの人々は、二人を孤立から助け出してやるのが慈悲の仕業である間は、二人の存在を気にも止めなかったが、二人がしゃべり出したとなると、不満そうな眼つきを投げはじめた。そんなにはしゃぐのは、よからぬ趣味となるのであった……。しかし、人の思惑なんかは、二人の饒舌《じょうぜつ》家には無関心なことだった。二人は先刻の意趣晴らしをしていたのである。
 最後に、ラインハルト夫人はクリストフに良人《おっと》を紹介した。彼はひどい醜男《ぶおとこ》だった。顔は蒼《あお》ざめ、髭《ひげ》がなく、痘痕《あばた》があり、憐《あわ》れっぽかった。しかしたいへん善良な様子だった。喉《のど》の奥から声を出し、音綴《おんてつ》の間々で休みながら、もったいらしいたどたどしい仕
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