すべてのものを照らす太陽、創造の崇高なる喜び! 創造することより他《ほか》に喜びはない。創造する人々より他に生きてるものはない。他の者はすべて、生命とは無関係で地上に浮かんでいる影にすぎない。生のあらゆる喜びは、恋愛、才能、行為など、皆創造の喜びである! ただ一つの火炉から立ちのぼる力の火炎である。その大なる竈《かまど》のまわりに席を有しない人々も――野心家、利己主義者、空疎な遊蕩《ゆうとう》児なども――その色|褪《あ》せた反映に身を暖めようとする。
 肉体界もしくは精神界において、創造することは、身体の牢獄《ろうごく》から脱することであり、生命の※[#「風にょう+炎」、第4水準2−92−35]風《ひょうふう》中に飛び込むことであり、「存在する者」となることである。創造すること、それは死を殺すことである。
 永久に生命の炎が一つも発しないような、おのれの干乾《ひから》びた身体とおのれのうちにある暗夜とを、ただいたずらにうちながめながら、地上に孤独のまま埋もれてる無益なる存在者こそ、実《げ》にも不幸である。花をつけた春の樹木のように、生命と愛との豊饒《ほうじょう》な重みを、少しも感ずるこ
前へ 次へ
全527ページ中18ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
ロラン ロマン の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング