ンハイムに言った。
「気をつけたまえ。あまりやりすぎるぜ。」
「なに大丈夫だ。」とマンハイムは答えた。
 そして彼はますますやりつづけていた。
 クリストフは何にも気づかなかった。彼は雑誌社へやって来、原稿を渡すと、もう少しも気に止めなかった。時とすると、マンハイムをわきに呼ぶこともあった。
「こんどは、あの馬鹿者どもをほんとうにやっつけてやった。少し読んでみたまえ……。」
 マンハイムは読んでみた。
「どうだい、君の考えは?」
「猛烈だね。君、余すところはないよ。」
「あいつらはなんと言うだろうかね?」
「そりゃあ大騒ぎだろうよ。」
 しかし大騒ぎは少しも起こらなかった。それどころかクリストフの周囲では、輝いた顔ばかりが見られた。彼がやっつけた人々は、往来で彼に挨拶《あいさつ》をした。ある時彼は顔をしかめた気懸《きがか》りな様子で、雑誌社にやって来た。そしてテーブルの上に一枚の訪問名刺を投げ出しながら尋ねた。
「これはいったいなんのことだ?」
 それは彼が罵倒《ばとう》したばかりの一音楽家の名刺で、「感謝に堪えず候[#「感謝に堪えず候」に傍点]」と書き入れてあった。
 マンハイムは笑
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