に健康の保証を、あるすぐれた女歌手にささげた。
 クリストフは芸術家らを非難するばかりでは満足しなかった。彼は舞台から飛び出して、呆然《ぼうぜん》と口を開きながらそれらの演奏に臨んでる聴衆をもなぐりつけた。聴衆は惘然《ぼうぜん》として、笑っていいか怒っていいかもわからなかった。彼らはその非道な仕打ちにたいして怒号してもよかった。元来彼らは芸術上の戦いにはいっさい加わるまいと注意していた。あらゆる紛議の外に用心深く身を置いていた。そして間違いをしやすまいかと気づかって、すべてのものを喝采《かっさい》していた。ところが今クリストフは、彼らの喝采《かっさい》を罪悪だとした。……悪作を喝采するというのか! それだけでもたまらないことだ! がクリストフはなお極端に奔《はし》った。彼が彼らに最も非難したのは、偉大な作品を喝采することであった。
「道化者めが、」と彼は彼らに言った、「諸君はそんなに多くの感激を持ち合わしてると人から思われたいのか。……ところが、諸君はちょうど反対のことを証明してるのだ。喝采したいなら、喝采に相当する作品か楽節かを喝采したまえ。モーツァルトが言ったように、『長い耳のため
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