努力にあくせくしてる博学な蛮勇を若いドイツが傾けつくしている、奇異な新しい建築法によって、ほとんど全部が建てられていた。卑俗な町のまん中に、なんらの特色もないまっすぐな街路に、いろんなものが突然そびえていた、エジプトの大|墓窟《ぼくつ》、ノールウェーの農家、修道院、城楼、万国博覧会の層楼、生気のない顔と一つの巨大な眼をもってる、地面にもぐり込んだ無脚のふくれ上がった家、地牢《ちろう》の鉄門、潜水艦の押しつぶされた扉《とびら》、鉄の箍《たが》、窓の鉄格子《てつごうし》についてる金色の隠花植物、表門の上に口を開《あ》いてる怪物、あちらこちらに、思いもかけぬところには皆敷いてある、青い瀬戸の敷き石、アダムとイヴとを示す雑色の切りはめ細工、不調和な色の瓦《かわら》でふいた家根、最上階には銃眼をうがち、頂上には異形の動物をすえ、一方には窓が一つもないが、他方には突然相並んで、方形や長方形のぽかんと開いてる多くの穴が、傷口みたいについてる、要塞《ようさい》式の家、裸壁の大きな面、その面からはただ一つの窓の所へ、不意に大きな露台が飛び出し、その露台はニーベルンゲン式の人像柱にささえられ、またその石の欄干からは、髭《ひげ》のはえた髪の濃い老人の、ベックリンの人魚のような男の、二つのとがった頭が飛び出していた。それらの牢獄みたいな人家の一つ――入口には巨人の裸体像が二つある低い二階建ての、古代エジプトの王宮に似た家――の破風《はふ》に、建築家はこう書きしるしていた。
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ああ芸術家をして示さしめよ、
過去未来にまたとなき己が宇宙を。
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クリストフはハスレルのことばかり考えていたので、落ち着きのない眼でそれをながめ、少しも理解しようとはしなかった。彼は目ざす家へ到着した。最も簡単な――カロヴァンジャン式の――家の一つだった。内部は金目のかかった卑俗なぜいたくさを示していた。階段には、熱しすぎた暖房器の重い空気が漂っていた。狭い昇降機がついていた。しかしクリストフは、訪問の心構えをする隙《ひま》を得んがために、それに乗らなかった。感動のために足は震え心は躍《おど》りながら、その五階まで小足に上っていった。そのわずかな歩行の間に、ハスレルとの昔の会見、子供らしい心酔、祖父の面影などが、昨日のことのように彼の頭に浮かんだ。
彼が入口の呼鈴を
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