に文学上の教育を施してやった。彼の不思議なほどの無学に、驚いてるような様子は見せなかった。けれども、いかなる機会をものがさないで、しかも単純に穏かに、クリストフが間違えるのは当然ででもあるかのように、その誤謬《ごびゅう》を指摘した。衒学《げんがく》的な教え方で彼の気を害することなく、ただ晩にいっしょになるようなおりに、歴史の面白い部分や、あるいはドイツや外国の詩人のいい詩などを、ミンナに読ましたり彼に読ましたりして、時間を過ごすようにした。彼女は彼を自分の家の子供同様に取扱った。それにはいくらか、保護者的ななれなれしい調子がこもってもいたが、彼は少しも気づかなかった。彼女は彼の服装の世話までして、服を新しく縫い直してやり、毛の襟巻《えりまき》を編んでやり、こまごました化粧道具を与え、しかも彼にそれらの世話や贈物を少しもきまり悪く感じさせなかったほど、愛想よくしてやった。すべて親切な婦人は、自分の手に託された子供にたいしては、別に深い感情を感じないでも、ただ本能的に、細かな注意を向けほとんど母親らしい世話をしてやるものであるが、ケリッヒ夫人も要するに、彼にたいしてそうだったのである。しか
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