あ》さんが、わたしを殺《ころ》した、」
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と歌《うた》うと、一人《ひとり》が耳《みみ》を立《た》てました。
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「父《とう》さんが、わたしを食《た》べた、」
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と言《い》うと、また二人《ふたり》が耳《みみ》を立《た》てて、聞《き》き入《い》りました。
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「妹《いもうと》のマリちゃんが、」
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と歌《うた》うと、また四|人《にん》が耳《みみ》を立《た》てました。
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「わたしの骨《ほね》をのこらず拾《ひろ》って、
 手巾《はんけち》に包《つつ》んで、」
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と言《い》った時《とき》には、臼《うす》を刻《き》っている者《もの》は、八|人《にん》ぎりになりました。
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「杜松《ねず》の樹《き》の」
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と歌《うた》うと、もう五|人《にん》ぎりになりました。
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「根元《ねもと》へ置《お》いた。」
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と言《い》うと、もう一人《ひとり》ぎりになりました。
[#
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