《ひ》を送《おく》って居《い》たのです。王子《おうじ》は、ここまで来《く》ると、どこからか、聞《き》いたことのある声《こえ》が耳《みみ》に入《はい》ったので、声《こえ》のする方《ほう》へ進《すす》んで行《ゆ》くと、ラプンツェルが直《す》ぐに王子《おうじ》を認《みと》めて、いきなり頸《くび》へ抱着《だきつ》いて、泣《な》きました。そしてその涙《なみだ》が、王子《おうじ》の眼《め》へ入《はい》ると、忽《たちま》ち両方《りょうほう》の眼《め》が明《あ》いて、前《まえ》の通《とお》り、よく見《み》えるようになりました。
そこで王子《おうじ》は、ラプンツェルを連《つ》れて、国《くに》へ帰《かえ》りましたが、国《くに》の人々《ひとびと》は、大変《たいへん》な歓喜《よろこび》で、この二人《ふたり》を迎《むか》えました。その後《ご》二人《ふたり》は、永《なが》い間《あいだ》、睦《むつま》じく、幸福《こうふく》に、暮《くら》しました。
それにしても、あの年寄《としよ》った魔女《まじょ》は、どうなったでしょう? それは誰《たれ》も知《し》った者《もの》はありません。
底本:「グリム童話集」冨山房
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