で、おひめさまのお友だちでも、おむこさまであることになりました。そのとき、王子はあらためて、じぶんの身の上の話をして、あるわるい魔法《まほう》つかいの女のためにのろわれて、みにくいかえるの姿にかえられたが、それを泉のなかからたすけだして、もとのにんげんにかえしてくれるものは、この王さまのおひめさまのほかになかったといいました。それで、あしたはもうさっそく、ふたりつれだって、じぶんの国にかえって行くつもりだともいいました。
三
それでふたりはゆっくりやすみました。そして、あくる朝、お日さまがにこにこ、ふたりをお起しになるじぶん、八|頭《とう》だての白馬をつけた馬車が、はいって来ました。どの馬も、あたまに白いだちょうのはねをかぶって、金のくさりをひきずっていました。馬車のうしろには、わかい王さまのごけらいが、しゃんと立っていました。これが忠義もののハインリヒでありました。
忠義もののハインリヒは、鉄のたが[#「たが」に傍点]を三本も胸にまきつけていました。それは、ご主君《しゅくん》がかえるにされてしまったので、かなしくてかなしくて、いまにも胸がはれつしそうになった
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