をきってくるあいだ、おとなしくまっているんだよ。しごとがすめば、もどってきて、いっしょにつれてかえるからね。」
ヘンゼルとグレーテルとは、そこで、たき火にあたっていました。おひるになると、めいめいあてがわれた、パンの小さなかけらをだしてたべました。さて、そのあいだも、しじゅう木をきるおのの音がしていましたから、おとっつぁんは、すぐと近くでしごとをしていることとばかりおもっていました。でも、それはおのの音ではなくて、おとっつぁんが一本の枯れ木に、枝をいわいつけておいたのが、風でゆすられて、あっちへぶつかり、こっちへぶつかりしていたのです。こんなふうにして、ふたりは、いつまでもおとなしくすわって待っているうち、ついくたびれて、両方の目がとろんとしてきて、それなりぐっすり、ねてしまいました。それで、やっと目がさめてみると、もうすっかり暮れて、夜になっていました。グレーテルは泣きだしてしまいました。
「まあ、わたしたち、どうしたら森のそとへ出られるでしょう。」と、グレーテルはいいました。
ヘンゼルは、でもグレーテルをなだめて、
「なあに、しばらくお待ち。お月さまが出てくるからね。そうすれば
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