とらせなきゃ。だいぶ、あぶらののったところで、おばあさんがたべるのだからな。」と、わめきました。
こうきいて、グレーテルは、わあっと、はげしく泣き立てました。けれどなにをしたってむだでした。このたちのわるい魔女のいいなりほうだい、どんなことでも、グレーテルはしなければなりませんでした。
こんなしだいで、きのどくに、たべられるヘンゼルには、いちばん上等なお料理がつきました。そのかわり、グレーテルには、ザリガニのこうらが、わたったばかりでした。
まい朝まい朝、ばあさんは犬ごやへ出かけて行って、
「どうだな、ヘンゼル、指をだしておみせ。そろそろあぶらがのって来たかどうだか、みてやるから。」と、わめきました。
すると、ヘンゼルはたべあましのほそっこい骨を、一本かわりに出しました。ところで、ばあさんはかすみ目しているものですから、見わけがつかず、それをヘンゼルの指だとおもって、どうしてヘンゼルにあぶらがのってこないか、ふしぎでなりませんでした。
さて、それから、かれこれひと月たちましたが、あいかわらずヘンゼルは、やせこけたままでした。それで、ばあさんも、とうとうしびれをきらして、もうこ
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