まわないわ。あなたばかりいかせて、くだらないもの書いていて、じぶん勝手のむくいだわ。」
ジョウは、そうつぶやいて、ハンナのところへ相談にいきました。ハンナはよく知っていて、手あてさえよければ死ぬものではないといったので、ジョウはほっとし、今度は、二人でメグをよびにいきました。
ハンナは、ベスの容態を見たり、いろいろ尋ねてからいいました。
「では、バンクス先生に診察していただいて手当をするんです。エミイさんはうつるといけないからしばらくマーチおばさんのところであずかっていただきましょう。それから、どなたか一人のこってベスさんのお相手になってあげて下さいませ。」
のこるのは、ジョウにきまりましたが、エミイは、どうしてもいかないといい、いくくらいなら、しょうこう[#「しょうこう」は底本では「しょうこの」]熱にかかったほうがいいと、だだをこねはじめました。なだめても、すかしても聞き[#「聞き」は底本では「聞さ」]ません。おりよく来たローリイに頼むと、ローリイはいろいろとエミイの心をひくようなことを、まくしたてました。
「ぼくがまい日顔を出して、ベスの容態を知らせたり、遊びにつれ出したりしてあげる。あのばあさんは、ぼくが好きなんだ。だから、できるだけうまくやるよ。芝居にもつれていってあげる。」
とうとうエミイは承知しました。
メグとジョウは、二階からおりて来て、エミイが承知したことを知って安心しました。バンクス先生をよびにいくのも、ローリイがしてくれました、親切なローリイは、生垣をとび越していきました。
バンクス先生がいらして、ベスにはしょうこう熱のきざしがあると診断しました。そして、ハンメル家の話を聞いてむずかしい顔をしましたが、たいていかるくすむだろうということでした。エミイは、すぐに家からはなれるように命ぜられ、予防の手あてをしてもらってから、ローリイとジョウにまもられて、マーチおばさんの家へいきました。
マーチおばさんは、話を聞いて、
「だから、いわないことじゃない。よけいなおせっかいをして、貧乏人の家へいったりするからだよ。エミイは、ここにいて、御用をしたらいいだろう。」と、いいました。
エミイは、おばさんから、目がね越しに、じろじろ見られるので、いやになってしまいましたが、それでも、ローリイとジョウが帰ってしまうと、気をとりなおして、
「あたし、と
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