の祟《たた》りがあるのを、おまえたちも知らぬはずはあるまい。早くここへ駆《か》り出して来い」
 かれらはうけたまわって立ち去ったが、やがて喬生と麗卿と金蓮の三人に手枷《てかせ》首枷《くびかせ》をかけて引っ立てて来た。
 かれらはさらに道人の指図にしたがって、鞭《むち》や笞《しもと》でさんざんに打ちつづけたので、三人は総身《そうみ》に血をながして苦しみ叫んだ。その苛責《かしゃく》が終わったのちに、道人は三人に筆と紙とをあたえて服罪の口供《こうきょう》を書かせ、更に大きい筆を執《と》ってみずからその判決を書いた。その文章はすこぶる長いものであるが、要するにかれら三人は世を惑わし、民を誣《し》い、条《じょう》(教えの個条)に違《たが》い、法を犯した罪によって、かの牡丹燈を焼き捨てて、かれらを九泉《きゅうせん》の獄屋へ送るというのであった。急急如律令、もう寸刻の容赦もない。この判決をうけた三人は、今さら嘆《なげ》き悲しみながら、進まぬ足を追い立てられて、泣く泣くも地獄へ送られて行った。それを見送って、道人はすぐに山へ帰った。
 あくる日、大勢がその礼を述べるために再び登山すると、ただ草庵が残っ
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