ベルへ来たんだわ。」と、いいましたが、女中は、手紙をさしだしながら、
「マーチさんへと、使いの者が申しました。」と、いいました。
「まあ、すてき。どなたから? あなたに恋人があるとは知らなかったわ。」
みんなは、強い好奇心をいだきました。
「手紙は母から、花はローリイからですわ。」
「まあ、そうなの。」と、アンニイは、みょうな表情でいいました。
母からの手紙は、みじかいけれど、よい教訓でした。メグはポケットにしまいました。また、花はしずんだ[#「しずんだ」は底本では「じずんだ」]気持をひきたててくれました。その幸福な気持で、メグは、しだとばらをわずかとって、あとは気前よくわけましたので、メグのやさしさに心ひかれたようでした。メグが、みどりのしだを髪にさし、ばらの花を胸にさしたので、服はそのためにいくらかひきたって見えました。
メグは、その夜、心ゆくまでダンスをしました。みんなが親切にしてくれ、歌をうたえばいい声だとほめ、リンカーン少佐は、あの目の美しい令嬢はどなたと尋ねましたし、マフォット氏は、メグの身体にばねみたいなものがある、ぜひメグとダンスするといいました。
こうしてたの
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