でした。おかあさんは病気で、あかんぼうは泣き、青い顔のひもじい子供たちは、一枚の蒲団にくるまってかたまっていました。みんながはいっていくと、子供たちは目を大きく見はり、青ざめた唇にほほえみをうかべました。
「ああ、神さま! 天使たちがいらした!」と、そのあわれな女は、うれし泣きに泣きながらさけびました。ジョウは、
「頭をかけ手袋をはめたおかしな天使でしょう。」といって、家中の者を笑わせました。
たちまち、この家にやさしい精霊がはたらきだしたように思われました。薪を運んできた。ハンナは火をおこし、古い帽子や、じぶんの肩かけで窓のやぶれをふさぎました。おかあさんは、母親にお茶やかゆをあたえ、あかんぼうをじぶんの子供みたいに着物を着せ、これからもお世話をしますと約束してなぐさめました。姉妹たちは、そのあいだにテーブルの支度をし、子供たちを炉のまわりにすわらせ、お腹のすいている小鳥たちを養うように食べさせました。
「ああ、おいしい、子供の天使!」と、子供たちは食べながらいって、紫色にこごえた手をあたたかい火であたためました。
帰ってから、姉妹たちは、パンとミルクしか食べませんでしたが、それ
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