みんなはあまり話さずに、おかあさんの身のまわりの用事をしました。おかあさんがいいました。
「おかあさんは、あなたがたを、ハンナとローレンスさんにお願いしていきます。ハンナは心からの律義者ですし、おとなりのあの親切なかたは、あなたがたを、じぶんの娘のように守って下さいます。ですから、すこしもあたしは心配しませんが、ただ、この不幸をよく理解して、留守中、悲しんだり、いらいらしたり、なまけたりせずに、めいめいの仕事をやって下さい、希望をもってはたらきどんなことが起っても、けっしておとうさんを失わないということを覚えていらっしゃい。」
「はい、おかあさん。」
 おかあさんは、なおもこまかく、一人一人の娘に注意をあたえました。
 馬車の音がしたとき、みんなはよくこらえて、悲しみの声をたてる者はありませんでした。ただ、しずかにおかあさんにキッスして、馬車が動き出したら、元気で手をふろうと思いました。
 ローリイとおじいさんが見送りに来てくれました。同行するブルック先生は、いかにも頼もしく見えましたので、巡礼ごっこのなかの案内者グレート・ハート氏という、あだ名を、さっそくつけました。馬車が走り出した
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