尋ねました。
「ベス、あなたなにを考えているの?」
「あたし、今日、天路暦程のなかで、クリスチャンとホープフルが、いろいろくるしい旅をつづけたあげく、年中ゆりの花のさいていてたのしい緑の野辺について、ちょうど今のあたしたちのように、目的地にむかって、また出発する前に、そこでたのしく一休みするところを読みました。」と、ベスはいって、おとうさんのそばをはなれてピアノの前にいきました。
「お歌の時間でしょう。おとうさんのお好きな、巡礼の聞いた羊飼いの少年の歌、あたし作曲しましたの。」
そういって、ベスはピアノをひき、二度ともう聞けないかと思った美しい声で、ベスにふさわしい古風な讃美歌をうたいました。
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へりくだるものにおそれなく
ひくきにあるものにほこりなし
まずしきものは、とこしえに
神のみちびきえらるべし
われもつものにことたれり
たとえおおくもすくなくも
ああ、そのたるをしるこころ
主のこころにかなうべし
おもにはかたにおもくとも、
じゅんれいのたびをつづけつつ
このよのさちはうすくとも
主のしゅくふくをうけるならん。
[#ここで字下げ終わり]
第二十三 マーチおばさん
はたらき蜂が、女王蜂のまわりにむらがるように、おかあさんと娘たちは、そのあくる日、ベスのそばの大きなイスに身体をうずめたおとうさんのまわりにたかり、あらゆる親切なお世話をしました。ただ一人、ふしぎなかわりかたはメグで、そわそわしたり、気がぬけたようになったりしました。
午後、ローリイが、窓ぎわのメグを見て、雪のなかに片ひざをつき、胸をうって髪をかきむしり、哀願するように、りょう手を組み合せて、拝むようなかっこうをしました。メグが、ばかなまねはおよしなさいというと、ハンカチで空涙をふいていってしまいました。
「おばかさん、なんのつもりかしら?」と、メグがいうと、ジョウが
「あなたのジョンが、こうなるという実演なのよ。あわれでしょう。」と、せせら笑っていました。
メグは、顔をしかめ、わたしをこまらせないで、今までどおりみんなで遊んでいればいいといいますと、ジョウは、
「そうはいかないわ、おかあさんにもあたしにも、よくわかるけど、おねえさんはちっともおねえさんらしくなくなったわ。遠いところへいっておしまいになったみたい。あたしおねえさんみたいに、ぐ
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