なつた。郎女は、暖かい晝、薄暗い廬の中で、うつとりとしてゐた。その時、語部《カタリ》の尼が歩み寄つて來るのを、又まざ/″\と見たのである。
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何を思案遊ばす。壁代《カベシロ》の樣に縱横に裁ちついで、其まゝ身に纒ふやうになさる外はおざらぬ。それ、こゝに紐をつけて、肩の上でくゝりあはせれば、晝は衣になりませう。紐を解き敷いて、折り返し被《カブ》れば、やがて夜の衾《フスマ》にもなりまする。天竺の行人《ギヤウニン》たちの著る僧伽梨《ソウギヤリ》と言ふのが、其でおざりまする。早くお縫ひあそばされ。
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だが、氣がつくと、やはり晝の夢を見て居たのだ。裁ちきつた布を綴り合せて縫ひ初めると、二日もたゝぬ間に、大きな一面の綴りの上帛《ハタ》が出來あがつた。
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郎女樣は、月ごろかゝつて、唯の壁代をお織りなされた。
あつたら、惜しやの。
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はり[#「はり」に傍点]が拔けたやうに、若人《ワカウド》たちが聲を落して言うて居る時、姫は悲しみながら、次の營みを考へて居た。
「これでは、あまり寒々としてゐる。殯《モガリ》の庭の棺
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