る群れのやうに。
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郎女樣は、こちらに御座りますか。
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萬法藏院の婢女《メヤツコ》が、息をきらして走つて來て、何時もなら、許されて居ぬ無作法で、近々と廬の砌《ミギリ》に立つて叫んだ。
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なに――。
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皆の口が、一つであつた。
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郎女樣か、と思はれるあて人が――、み寺の門《カド》に立つて居さつせるのを見たで、知らせにまゐりました。
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今度は、乳母《オモ》一人の聲が答へた。
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なに、み寺の門に。
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婢女を先に、行道の群れは、小石を飛す嵐の中を、早足に練り出した。
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あっし あっし あっし……。
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聲は、遠くからも聞えた。大風をつき拔く樣な鋭聲《トゴエ》が、野|面《ヅラ》に傳はる。萬法藏院は、實に寂《セキ》として居た。山風は物忘れした樣に、鎭まつて居た。夕闇はそろ/\、かぶさつて來て居るのに、山裾のひらけた處を占めた寺庭は、白砂が、晝の明りに輝いてゐた。こゝからよく
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