句を自家藥籠中のものとすることが出來る。かくて思想感情をどうにか手つ取り早く言ひ表はし得るやうになる。即ち、間もなく英語の單なる傍觀者ではなく、自分のよく知つてゐる一部分が出來るわけである。これが一つの國語を學ぶ最も大切な一歩である。
英語の學習に於いて多讀本位の讀物の必要が叫ばれてゐるが、此の目的に對して Basic は他の所謂 Simplified texts とは異なり、本來國際補助語として考案せられたものであり、且つ通俗的な諸種の科學、商業其他の目的に使用すべきそれぞれ一定數の專門用語が用意されてゐるから、語彙が平易で、しかも内容的に相當進んだ多くの讀物を提供することが出來る。斯る讀物1が既に多く刊行されてゐる。故に Basic は精々物語等を記述するに役立つ語彙とは異るものである。これに就いて石黒魯平氏は早くから希望を述べて、「語彙。幾千とか幾萬とか言つて見ても、如何なる單位を數へるかを、眞に合理的に定めない限り、全然空虚の議論である。一般的題目の通俗的讀物などで、印刷した形の使用度數を器械的に統計したものは、結局無意味な語彙表である。之は Edward L. Thornd
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