真夏の夢
ストリンドベルヒ August Strindberg
有島武郎訳
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)鳩《はと》が森のおくから
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)その時一|羽《わ》の
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、JIS X 0213の面区点番号)
(例)※[#「饌」の「しょくへん」に代えて「金」、第4水準2−91−37]《かきがね》を
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北の国も真夏のころは花よめのようなよそおいをこらして、大地は喜びに満ち、小川は走り、牧場の花はまっすぐに延び、小鳥は歌いさえずります。その時一|羽《わ》の鳩《はと》が森のおくから飛んで来て、寝《ね》ついたなりで日をくらす九十に余るおばあさんの家の窓《まど》近く羽を休めました。
物の二十年も臥《ふ》せったなりのこのおばあさんは、二人《ふたり》のむすこが耕すささやかな畑地《はたち》のほかに、窓越《まどご》しに見るものはありませなんだが、おばあさんの窓のガラスは、にじのようなさまざまな色のをはめてあったから、そこからのぞく人間も世間も、普通のものとは
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