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念《おも》はぬに到《いた》らば妹《いも》が歓《うれ》しみと笑《ゑ》まむ眉引《まよびき》おもほゆるかも 〔巻十一・二五四六〕 作者不詳
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 作者不明。一首の意。突然に女のところに行ったら、嬉《うれ》しいと云ってにこにこする様子が想像せられて云いようなく楽しい、というので、昔も今もかわりない人情の機微が出て居る歌である。ただ現代語と違って古語だから、軽薄に聞こえずに濃厚に聞こえるのである。おもいがけず、突然に、というのを「念はぬに」という。「念はぬに時雨の雨は降りたれど」(巻十・二二二七)。「念はぬに妹が笑《ゑま》ひを夢に見て」(巻四・七一八)等の例がある。「歓《うれ》しみと」の「と」の使いざまは、「歓《うれ》しみと紐の緒解きて」(巻九・一七五三)とある如く、「と云って」の意である。にこにこと匂《にお》うような顔容をば、「笑まむ眉引」というのも、実に旨いので、古語の優れている点である。やはり此巻(二五二六)に、「待つらむに到らば妹が歓《うれ》しみと笑《ゑ》まむすがたを行きて早見む」というのがあり、大《おおい》に似ているが、この
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