作物(Werke)と緊密に結びついてゐない論議ばかりしてゐるからである。さうローゼンベルクは云ふのである。
ローゼンベルクの芸術論は、最近の独逸主義実行の必要上、随分一方的で無理な点があるけれども、時々は有益なことをいつてゐる。批評が実際の作物と遊離してゐては何の役に立たぬといふやうなことは、初学者でも云ひ得る一つの結論だが、実行の点になるとなかなかさうは行かぬと見え、外国人なども其点を強調してゐるのを見付けるといふこともまた、吾々が勉強の一機縁となり得るのである。双葉山からローゼンベルクまで飛んで、そのつながりに不自由なところがあつたが、今夜はこれで我慢せられたい。[#地付き](一月二十八日夜話)
底本:「日本の名随筆 別巻2 相撲」作品社
1991(平成3)年4月25日第1刷発行
1997(平成9)年5月20日第5刷発行
底本の親本:「斎藤茂吉全集 第八巻」岩波書店
1973(昭和48)年3月初版発行
※底本では、「”」の二点は右下に、「“」の二点は左上に、置かれています。
入力:門田裕志
校正:氷魚、多羅尾伴内
2003年12月12日作成
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。
前へ 終わり
全3ページ中3ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
斎藤 茂吉 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング