。私はこれを、二十二日、つい六日前に書いた〈鋏と布と型〉という舞台のものを、もう一度、あらためて、私の最後の仕事にするつもりです。これは、小母さんに関係のないことだけど、その芝居は、もし上演されるなら、私が暫くなりとも籍をおいて、既に愛着を抱いていた、現代演劇研究所で上演してほしいものです。役は、マネキンを川本さんに、彼女は音楽的な感覚をもっているし、舞踊が出来るんだ。ついでに、私ののぞみもつけたしたら、おどけたアクションをつけてほしいこと。デザイナー諏訪子は、私のはじめての芝居〈女達〉の、久良良をしてくれた前田さんに、音楽は、徳永さんにしてほしい。それから、演出は、くるみ座の北村さんが、してくれるなら、ぜひしてほしいのだ。私がするつもりだった。彼は、おそらくやってくれるだろう。この原稿も(芝居の)VILLONかVIKINGに、富士さんは、のっけてくれるだろう。
 小母さん。この原稿全部、あなたの興味ないものかも知れないことだけど、とりあえずよんで下さい。
 今、九時二十分頃でしょう、今日は十二月二十八日。御宅へ御邪魔して、神戸へ戻り、メコちゃんという、屋台の焼とり屋で、一本コップ酒、
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