の所にいたじぶんには、ごくやせっぽちな子どもであった。みんながわたしを見て言ったことばで、その様子はよくわかる。「町の子どもだ」と、バルブレンは言ったし、「ひどくひょろひょろした手足の子だ」と親方は言った。
 ところが親方のあとについて、広い青空の下に困難《こんなん》な生活を続《つづ》けているあいだに、わたしの手足は強くなり、肺臓《はいぞう》は発達《はったつ》し、皮膚《ひふ》は厚《あつ》くなり、ちょうどかぶとをかぶったように寒さをも暑さをもしのぐことができるようになった。
 こうして、このつらいお弟子《でし》修業《しゅぎょう》のおかげで、わたしは少年時代に、たいていの困難《こんなん》に打ち勝ってゆく力を養《やしな》うことのできたのは、あとで思えばひじょうな幸福であった。


     山こえて谷こえて

 わたしたちはフランスの中央《ちゅうおう》の一部、たとえばローヴェルニュ、ル・ヴレー、ル・リヴァレー、ル・ケルシー、ル・ルーエルグ、レ・セヴェンネ、ル・ラングドックというような土地土地をめぐって歩いた。
 わたしたちの流行はしごく簡単《かんたん》であった。どこでもかまわずまっすぐに出か
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