のではない。獄吏のように首斬り台の音丈を音楽だと主張しているのだ。悲しいではないか。バタバタは狂気の一歩前なのだよ。おお、そしてあの火事を見たまえ。病院の方ではないか。」
「そうだ。」私は萎《しお》れて答えた。何がそうだと答えたのか? 勿論両方の話し、即ち私が何うしても苛酷な事と、火事の方角が病院の近くである事の二つに対してである。
罪は常に他の罪から起る
急に新らしい事件である。
火事! そして燃え上っている。病院が焼けて倒れる。それが何よりも明らかな事実であった。
それは未だ良い。悪いのはもう一つの事であった。火事が厳密に検べられた時、私の妹丈が怯えて答えを曇らした。ああ、そして、何たる運命の狂いであるか。妹の行李が荷造り迄されて、病院から遠い物置に隠してあった事実が発見されると、眼の早い警官達は、妹に放火の疑いをかけた。
「妹! お前がやったのか? そして、昼間の中に自分の行李を焼けない所へ持って行って置いたのか? おお、それが低能の証拠なのだ! 何よりの印なのだ。」
私は悲愁と絶望と低能な妹の代りに受けねばならぬ責任感とで、体を折られるようなつらい思いを味わっ
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