には、何でも骨を折って、廻旋階段を降りて行かねばならない。其処に初めて廃墟の様な彼の女等の冷たい心が見出されるのである。彼の女等は精緻の替りに純野を持つ埃及彫刻と丁度反対のものであった。仕掛けの細かい贋造紙幣印刷機と同じで、結果を見ない間は精巧な一つの価値で輝くのが彼の女等であった。
 愚昧の過剰から、私は彼の女等の頬へ、非現実的、骨董的な磨きを掛けて、自分丈の置物にしようと試みたが、花瓶には罅が入って了ったのである。もう之等二人は私につまらないものであった。私にはそれが口惜しくてならなかったが、人の力で何うとも治す術は見つからなかったではないか。
「女は矢張り詰らないものだ」
 私は段々遠ざかった。それもこれも私が「木偶」だからなのか? 私は振子の響きに合してカタカタと場所を変えて行くパンチと云う人形に過ぎぬのか。
 私はぼんやり街を歩いた。そして少しばかり知り合いの人に会った。
「君は未だ健康なの?」と私は不健全な問いを発した。すると私の相手も亦乗り気になって答えた。
「私はある理学者の弟子になったがね。お蔭で随分達者過ぎるよ。ウムそれに、近頃面白い事があったのだ。私の体はその儘で
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