れたとも云はれる。……
 これらの未熟な佛蘭西語で書かれた即興詩だけではこの大いなる詩人の全貌が窺へないことは云ふを俟たない。しかし、これらの詩の或物、――たとへばその最後の「窓」の詩など――にも、詩人の心血を注いで書いた「悲歌」の沈痛なアクセントのほのかな餘韻のやうなものは感ぜられるのである。



底本:「堀辰雄作品集第五卷」筑摩書房
   1982(昭和57)年9月30日初版第1刷発行
入力:tatsuki
校正:染川隆俊
2010年3月5日作成
青空文庫作成ファイル:
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