原因であり得ぬことが私に確実であるほど、大きいものであるならば、そこから必然的に、私のみが独り世界にあるのではなく、かかる観念の原因であるところの或る他のものがまた存在するということが帰結するということである。他方もし何らかくのごとき観念が私のうちに見出されないならば、私とは別の或るものの存在を私に確実ならしめるところのいかなる論拠もまったく私は有しないであろう。というのは、私は一切を極めて注意深く調査して、これまで何らの論拠も見出し得なかったからである。
 ところで私の有する観念には、ここに何ら困難のあり得ないところの、かの私自身を私に示す観念のほか、他に、神を表現するもの、また物体的な無生的なものを表現するもの、また天使を表現するもの、また動物を表現するもの、そして最後に私と同類の他の人間を表現するものがある。
 そして他の人間を、あるいは動物を、あるいは天使を示すところの観念についていえば、たとい私のほか何らの人間も、何らの動物も、何らの天使も世界に存しないにしても、これらの観念が、私自身について、物体的なものについて、また神について私の有する観念から構成せられ得るということを、
前へ 次へ
全171ページ中69ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
デカルト ルネ の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング