とふ。そして一とびして床の眞中に立つ)
ノラ さあ、彈いて下さい! 踊りますよ!
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(ヘルマーが彈きノラが踊る。ランクはピアノの前、ヘルマーの後に立つて眺めてゐる)
[#ここで字下げ終わり]
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ヘルマー (彈きながら)もつと、ゆつくり、ゆつくり!
ノラ ゆつくりは踊れませんの。
ヘルマー これノラ、そんな亂暴でなく。
ノラ いゝんですよ、いゝんですよ。
ヘルマー (止める)ノラ! それぢや到底ものにならないよ。
ノラ (笑つてタンバリンを振り動かす)だから、さういつたぢやありませんか。
ランク 私が彈いてあげませう。
ヘルマー あゝ、どうか――さうすれば私が教へてやるのに都合がいゝから。
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(ランクはピアノに向つて彈ずる。ノラは段々氣狂のやうに踊り出す。ヘルマーはストーヴの傍に立つて、絶えずノラの踊振りを直すやうに差圖する。ノラはその言葉が聞えないやうにみえる。その髮の毛がほぐれて兩肩に垂れかゝる。ノラはそれに氣も付かない樣子で踊り進む。そこへリンデン夫人が入つてきて、入口の處に襲はれた樣に立すくむ
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