《あた》はず、又《また》所期《しよき》の十一だも達《たつ》する能《あた》はざるは、世上《せじやう》に其《その》例《れい》を多《おほ》く見《み》る處《ところ》なり。實《じつ》に身體攝養《しんたいせつやう》の事《こと》は、一日《いちじつ》と雖《いへど》も忽《ゆるかせ》に爲《な》す可《べ》からず。
世《よ》に傳《つた》はる攝養法《せつやうはふ》に種々《しゆ/″\》ありと雖《いへど》も、余《よ》の實驗《じつけん》に由《よ》れば、尤《もつと》も簡易《かんい》にして尤《もつと》も巧驗《こうけん》あるものは冷水浴《れいすゐよく》の他《た》にあらざる可《べ》し。故《ゆゑ》に余《よ》は此《この》攝養法《せつやうはふ》の廣《ひろ》く行《おこな》はれ、戰後《せんご》てふ大任《たいにん》を負《お》へる我《わが》國民《こくみん》の體力《たいりよく》を一層《いつそう》強固《きやうこ》ならしめ、各自《かくじ》の職責《しよくせき》を遺憾《ゐかん》なく遂行《すゐかう》せられんことを深《ふか》く希望《きばう》する處《ところ》なり。特《こと》に青年輩《せいねんはい》身心《しん/\》發育《はついく》の時代《じだい》にあるものには、今《いま》より此《この》法《はふ》を實行《じつかう》して體力《たいりよく》を培養《ばいやう》し、將來《しやうらい》の大成《たいせい》を謀《はか》る事《こと》、實《じつ》に肝要《かんえう》ならずや。
底本:「命の洗濯」警醒社
1912(明治45)年3月23日
※近代デジタルライブラリー(http://kindai.ndl.go.jp/)で公開されている当該書籍画像に基づいて、作業しました。
入力:田中敬三
校正:小林繁雄
2007年7月15日作成
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